感情のタイムラグ
感情のタイムラグってあるよね。
こう、そのときは心が止まってしまってなにも反応できなかったのに、今になってわぁーって色々と思ってしまうこと。
あの人の前では涙を一粒も流さなかったのに、あの人の前以外では何粒も流れる。
二週間以上経ってもう限界。
一度は元気になってきたって思ったこともあったのに、ぶり返す風邪みたいにまたダメになっていく。
あのとき本当は感じていた想いが、時間を置いて押し寄せる感覚。
なんでもっと縋れなかったんだろうって思う。
もっと言葉を尽くせばよかった。
嫌だって、絶対に離れたくないって言えばよかった。
会えなくなるなんて考えられないって。脅迫したってよかった。
もう遅いのかなとも思うし、まだ遅くないとも思う。
何回だって告白したくなってきた。
どうしてもどうしても、どうしても好きだ。
どうしたらいい?
なんにも知らなかった
なーんにも知らなかった。好きだった人のこと、なんにも。
名前と歳と誕生日と住んでるところと出身地、なんとなくの仕事、休みの日になにしてるかとか、なにが好きかとかの薄っすらとしたことだけ知っていた。
家族構成も血液型も、小さな頃の話も知らなかった。
聞いたらいけないのかと思ってた。
そんなわけないのにね。好きなら聞けばよかった。
好かれたいよりも嫌われたくないが先に立ってしまった。
でもあなたもわたしのこと聞かなかったし。
そんなあなたが、今わたし以外の人を好きになって幸せなんだと思うと胸の中に重りを吊るされたみたいになるよ。
失恋の脳内ドラマ化が止まらない
大失恋した。驚きの失恋。まじの失恋。
わたし、32歳、女。
むちゃくちゃ好きだった人にはっきりとフラれてしまった。別に付き合ってたわけじゃないけど、関係はあった。付き合いたいと思いながら、フラれるのがこわくて告白できなかった。
それが4日前のこと。
この記事のタイトル通り、失恋の脳内ドラマ化が止まらない。
いやー、まじ驚き。どんどん美化されてく。なにもかもがうつくしく思える。
こんなの絶対におかしい。
だってたぶん、あの人はクズだった。
一度も名前を呼んでくれなかったし、荷物も持ってくれなかったし、もらったのはボロボロのビニール傘1本だけ。
それなのに、思い出すとすべてがドラマみたいに枠に入ってきっちりして見える。なんで? 今これを書いているときも、本当は細かく書きたいのにどこかからバレたらどうしようと思って書けない。
全部好きだった。
少し前を歩くときの横顔の感じとか、大きい手とか足とか、柔らかい髪とか。キスをする前、眼鏡のフレームに囲まれたあなたの左目を覗き込むのが好きだった。
洗濯物を部屋干しするから、部屋はいつも柔軟剤の匂いがした。リンスは使っていなくて、シャンプーだけがお風呂場にあった。出したままのフライパンは埃が溜まっていた。不足が目立つ不思議な部屋だった。
大好きだった。
朝起きてから夜眠るまで、夢の中でまであなたのことを考えていた。
でも、もうやめなくちゃね。
好きな人ができて、その人と付き合い始めたって。
わたしを選んでくれないのなら、他の誰も選んで欲しくなかった。
彼女ができたなら、そのあと2回わたしと会ったらいけなかったよ。わたしも悪いけどさ。
大好きでした!と言って別れて、地下鉄の階段を降りていくあなたの後ろ姿を忘れられそうもなくて困る。
どうでもいいけれど、歩き出してすぐの信号待ちで1円玉を拾ったよ。
あーもう、本当に、むちゃくちゃに好きだったなー!